ラテン語 II

シ ラ バ ス

ラテン語II
 
(2 単位)

対象学部 全学部

担当教官 宮崎 正美
所属部局等
 仙台白百合女子大学

開講セメスター 2

1.講義題目
  ラテン語文法                 

2.授業の目的とねらい

  文法の総合的理解と読解。

3.授業の内容と進度予定                        
 ・比較級・最上級                      :1回
 ・変位動詞(デポネンティア)                :1回
 ・非人称動詞                        :1回
 ・不定法過去・不定法未来                  :1回
 ・直接法各時制と用法(受動態、第一時制・第二時制)     :3回
 ・接続法(概要)                      :2回
 ・接続法の用法(独立文での)                :1回
 ・接続法の用法(従属文での)                :3回
 ・読解                           :2回
4.成績評価方法                       
  レポート、試験、および出席状況に基づいて評価する。
5.教科書および参考書                         
  M.アモロス『ラテン語の学び方』南窓社。
  参考書は必要に応じ講義中に指示。
6.その他       
  本講義はラテン語 I の既習を前提とする。


ラテン語の実例──その1  " Angelus "
Angelus Domini nuntiavit Mariae, et concepit de Spriritu Sancto.
Ave Maria, gratia plena, Dominus tecum,
benedicta tu in mulieribus, et benedictus fructus ventris tui Jesus
Sancta Maria Mater Dei, ora pro nobis peccatribus,
nunc et in hora mortis nostrae, Amen.
Ecce Ancila Domini, fiat mihi secundum verbum tuum.
Ave Maria, ...
Et Verbum caro factum est, et habitavit in nobis
Ave Maria, ...
Ora pro nobis, sancta Dei Genitrix.
Ut digni efficiamur promissionibus Christi.
Oremus──Gratiam tuam, quaesumus Domine, mentibus nostris,
infunde, ut qui, Angelo nuntiante Chirsti filii tui Incarnationem cognovimus,
per Passionem eius et Crucem ad Resurrectionis gloriam perducamur.
Per eundem Christum Dominum nostrum. Amen.


これは、友人のプロテスタント教会牧師がローマに旅行した時のお土産の一つでもらった絵葉書に書いてあった、アンジェラス(古典ラテン語読みすれば「アンゲルス」)の祈り。フラ・アンジェリコ(Fra Angelico, 1387-1455)風の、いかにもという感じの「受胎告知」の絵であった。

最初3回挟まれているものは、有名な「アヴェ・マリア」(古典ラテン語読みすれば「アウェ・マリア」)。日本語の訳(実際に使われている訳、ただし古い訳)を、参考までに付けておきます。

主の  み使いの 告げ ありければ、マリアは聖霊によりて懐胎したまえり
めでたし 聖寵 満ちみてるマリア、主、おん身と共に まします
おん身は女のうちにて祝せられ、ご胎内のおん子イエズスも祝せられたもう
天主のおん母 聖マリア、罪人なる我らのために、
今も臨終の時も祈りたまえ、アーメン
われは 主の つかい女(め)なり、仰せのごとく われに なれかし
めでたし ...
しかして みことば は  人となりまたい、われらのうちに住みたまえり
めでたし ...
天主の聖母 われらのために祈りたまえ  キリストの おん約束に われらを かなわしめたまえ
祈願  主よ、われら天使の告げをもって、おん子キリストの ご託身を知りたれば、
願わくは その ご苦難と十字架とによりて、ついに ご復活の栄えに達するを得んため、
われらの心に聖寵を注ぎたまえ
 われらの主キリストによりて願いたてまつる。アーメン。
参考:カトリック東京教区司祭協議会  編集・著作『カトリック祈祷書』(あかし書房1975)278-279頁
どうでしょうか。完了時制(過去時制)が使われているところがわかりますか。それから、接続法が使われている部分は?

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