アクセント符号は綴りの一部
「4. 1. 強勢の規則」で説明したように、スペイン語の強勢(アクセント)規則から外れた強勢位置を持つ単語については表記に際して実際に強勢が置かれる母音にアクセント符号をつける。アクセント符号は綴りの一部だ。英語にはないことなので気をつけて覚えて欲しい。話し言葉では当然このようなアクセント符号が見えるわけではなく、強勢が音として感じられるわけだが、強勢の規則から外れる単語について覚える際には、このアクセント符号を加えた綴りを覚えることを通して強勢の位置を覚えていくとよい。
なお下に説明するように単語が結合したり複数形になったりした結果、音節数に変化が生じてアクセント符号が必要になったり不要になったりする場合がある。
このほか下に説明するように強勢の位置を示す目的以外に、疑問詞であることを示すことなどを目的としてアクセント符号が使われる場合がある。それはそれとして理解する必要がある。
強勢規則外の場合のアクセント符号
改めて強勢規則から外れる単語の例を見ておこう。
física (physics) ; matemáticas (mathematics) ; María (Maria) ; José (Joseph)
fácil (easy) ; rápido (rapid) ; técnico (technical, technician) ; música (music)
代名詞の後置連接によって強勢規則から外れる場合
スペイン語では動詞が不定形や現在分詞の形で使われる場合に、目的格代名詞あるいは再帰代名詞が動詞に連結することがある。また肯定命令では目的格代名詞あるいは再帰代名詞は必ず命令法の動詞に後置連接する。現在分詞および命令法(肯定)の動詞に後置連接する場合は代名詞が語尾に加わりその結果音節が加わることで、動詞そのものの強勢位置は変わらないのだが連接後の語全体における強勢位置が強勢規則から外れるためアクセント符号が必要になる。動詞の不定形に後置連接する場合は代名詞が一個だけの場合はアクセント符号は不要だが、代名詞二個の場合はアクセント符号が必要になる。
現在分詞に代名詞が連接した場合
現在分詞のみ |
現在分詞に代名詞が連接 |
estudiando (studying) |
estudiándolo (studying it) |
cortando (cutting) |
cortándola (cutting it) |
mostrando (showing) |
mostrándomela (showing it to me) |
sentando (setting) |
sentándose (sitting down) |
強勢の位置そのものは変化していないが全体の音節数が増えてることに意識を向けながら発音を確認してみよう。