強勢(アクセント)は2音節以上の語に生じる
英語の場合と同じように2音節以上の単語の場合、どれか一つの音節が他の音節よりも強く発音される。スペイン語のアクセントは強勢アクセントで、アクセントのある音節の母音は強く、高く、長く発音される。この強勢をどの音節に置くかは単語ごとに決まっていて、その単語の発音の一部を構成している。強勢の位置を間違えると、もう本来のその単語の発音とは違ってしまい、相手に意味が伝わらなくなる。
逆に言えば、強勢が正しく置けるためには単語の音節が把握できていなければならないということだ。
二重母音か否かでリズムが変わる
「3. 2. 二重母音・三重母音」で見たように他の母音と隣接する狭母音に強勢が置かれると、二重母音・三重母音は解消されて独立した母音となり、一音節だったものが二音節になる。「4. 1. 強勢の規則」で説明するように、スペイン語では強勢が置かれる位置には一定の規則があり、その規則は単語の中の最後の音節なのか、最後から二番目の音節なのか、ということに基づく。狭母音が他の母音と隣接する時にそれが二重母音をなしているかどうかということが重要になるのだ。
狭母音 [i] + 広母音 [a] が隣接した発音で終わる "existencia" (existance) と "energía" (energy) という二つの単語を例に見てみよう。
"existencia" の語尾の "ia" は二重母音なので一音節。スペイン語の強勢の規則では母音で終わる単語の強勢は最後から2番目の音節に置かれることになっているのでこの単語の強勢は "-ten-" の音節に置かれる。
一方 "energía" の場合はアクセント符号を伴っていることから一目瞭然だが語尾の "ia" のうちの "í" に強勢があり独立した母音をなしており、そしてこの音を核として形成されている音節 "-gí-" に強勢が置かれている。
これら二つの単語 "existencia" と "energía" の強勢の位置を聞き比べてみよう。